相続の学校school

2016.7.7“new topic” 「法定相続情報証明制度」(仮称)



”new topic”では、相続に関する新しい動きを紹介します。

今日は、先日発表された戸籍謄本に関する改正案です。

法務省は5日、相続手続きを簡素化する「法定相続情報証明制度」(仮称)を来年度に
新設すると発表しました。

この新制度では、
現在は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本など大量の書類一式を集め、登記所
や各金融機関の窓口にそれぞれ提出する必要があり、相続人の負担となっています。
新制度では、最初に書類一式を登記所に提出すれば、その後は登記所が発行する
1通の証明書の提出で済むようになります。

相続手続きの簡素化は、相続人や金融機関などの負担軽減を図るとともに、

”相続結果の登記を促して所有者不明の不動産を解消すること” が狙い。

法務省はパブリックコメントを実施した上で登記に関する規則を改正して、来年5月の運用
開始を目指すとしています。

現行制度では遺産を相続する場合、不動産登記の変更、相続税の申告、銀行口座の解約など
のため、大量の戸籍書類一式をその都度、官民全ての窓口に提出しなければなりませんが、
新制度では、まず登記所に書類一式を提出してもらい、登記所が相続情報を記載した証明書
を交付し、金融機関などでは証明書の写しの提出だけで手続きが行えるようになります。

東日本大震災のあと、政府が高台に仮設住宅を造る計画をした際に相続登記が行われていな
い土地が多数あり、土地の所有者を特定するのに時間がかかり、仮設住宅の着工が遅れたと
言うことがありました。

日本には、相続が発生した際に、土地に価値がないのに手続きが面倒との理由や、相続人同士
がもめて話し合いがつかずに未登記になっている土地が沢山あります。
ただ、土地は永久に放っておける性質のものではなく、誰かがいつか手続きをしなければいけ
なくなりますが、何代も前の名義となると時間の経過と共に相続人が増え続けていて収拾がつ
かなくなり専門家に相談して膨大な時間とお金をかけてやっと解決出来ればまだマシと言うこ
とにもなりかねません。

孫や曾孫にそんな苦労をさせないためにも、相続は誰もが自分の事としてしっかり考えておく
ことが大切ですね。
そして、必要以上に手間がかかる手続きは今回の改正案のように政府が主導してどんどん
簡素化していくことが、相続をスムーズに終わられるためには大切です。

text= マイスペース