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2016.6.19相続時精算課税制度③



相続時精算課税制度①と②で概要とメリット・デメリットを見て来ましたが、
最後に ”摘要条件と税金の扱い” を確認しましょう。

1.相続時精算課税を選択できる人(年齢は贈与の年の1月1日現在のもの)

 <財産を贈与する人(贈与者)> → 60歳以上の父母又は祖父母
 (住宅取得等資金の贈与の場合には特例があります。)

 <財産の贈与を受る人(受贈者)> → 20歳以上の者のうち、贈与者の推定相続人である子又は孫

2.贈与税の扱い

(1) 贈与財産の価額から控除する金額特別控除額2,500万円(上限)
  ※複数年に分けての贈与が可能です。
   例:今年1,000万円贈与した場合、翌年以降1,500万円までが特別控除上限となります

(2) 特別控除額(2,500万円)を超えた部分に対しては一律20%の税率で計算します。
  ※贈与税として支払った分は相続税から控除されます。

3.相続税の扱い

  贈与者が亡くなった時の相続税の計算上、相続財産の価額に相続時精算課税を適用した贈与財産の価額(贈与時の価額)
  を加算して相続税額を計算します。
  ※既に支払った贈与税相当額を相続税額から控除します。なお、控除しきれない金額は還付を受けることができます。

  注意:相続税の支払が必要な時は、相続時精算課税を受けていた孫は相続税が2割加算になります。
     ※孫は法定相続人ではないため。

4.不動産贈与の場合

  登録免許税・不動産取得税がかかります。
  ※相続の場合、登録免許税の軽減があり、不動産取得税は不要です。

相続時精算課税を使った贈与は、単純に贈与税が¥0になるのではなく、相続時に精算をする前提に前払を
する制度なので、相続時にすでに消費してしまっている若しくは価値が著しくなくなってしまう物に対する
贈与には不向きです。贈与後に価値が上がる物や利益産む物に適しています。

また、住宅のように日常生活に必要な物への贈与も早い時期にするとよい贈与です。住宅取得に関しては
”受託取得資金贈与の特例”があります。次回は、”住宅取得資金贈与の特例” について見ていきましょう!

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