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2016.3.28相続対策「分割」を考える①代償分割


今日は分割対策として、相続財産のほとんどが実家の土地建物で預貯金その他の財産がほとんどない場合の”生命保険を活用する代償分割”について考えます。

例えば同居の長男に実家を譲って実家や仏壇・お墓を守ってもらいたいと考え「実家の土地建物を長男に相続させる」と遺言をした場合、他の兄弟姉妹は受け取るものがなく不公平だとなり遺留分請求で争う事にもなりかねません。

※※ ここで知っておきたいのが「代償分割」と言う考え方です ※※


■代償分割とは、複数人いる中の特定の相続人が残された財産を相続し、その相続人が他の相続人に対して相応の金銭などを提供する方法です。例えば、相続人の一人が遺産である住宅を相続する代わりに、もう1人の相続人に代償金として2,000万円を支払うという方法です。

このパターンでの有効な代償分割対策の一つが生命保険です。被保険者が亡くなった場合、指定された受取人が速やかに現金を受け取ることが出来るので、受取人を長男として保険をかけておくとその保険金を他の兄弟姉妹への代償金に充てる事が出来、全員が納得する相続が出来ます。

ここで、どうせ代償分なら”最初から他の兄弟姉妹を受取人とすればそれでいいのでは”と考えられた方はいますか?その考えは危険です!
死亡保険金は民法上”被保険者の死亡により移転された資産ではない”と扱われ、指定された受取人固有の資産となり、保険金を受取った相続人の遺留分に影響しません。(みなし相続資産となる)

ベストな方法は、遺言書で長男に”実家の土地・建物すべての財産を残す”として、長男が死亡保険金受取人になり、一旦長男が保険金を受取った後に代償分割金として他の相続人に支払う流れです。

■代償分割の方法が有効な相続財産
・不動産(住宅・自宅、農業用地、事業用地 等)
・自社株
これらの財産は、特定の相続人が必要としているケースが考えられます。そのため、財産を単純に分割することが難しく、平等だけを考えて法定相続分の割合で財産を共有にしてしまうと、売却などの問題で揉めてしまうおそれがあります。

次回も分割対策について勉強しましょう!

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